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★DPT三種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風)ワクチンを受ける前にお読みください.
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自然感染したとき
ジフテリア
●ジフテリア菌の飛沫(ひまつ)感染によって起ります.感染は主に咽頭ですが,鼻にも感染します.
●ジフテリア菌が感染すると, 10%の人に症状が発現します.残りの90%の人は感染しても発病せずに(=不顕性感染),保菌者となってジフテリア菌を排出し,他の人に感染させます.
●症状は高熱,のどの痛み,犬吠様の咳,嘔吐などで,のどに偽膜(ぎまく)を形成して窒息死することがある恐ろしい病気です.
●発病2-3週間後には菌の出す毒素によって心筋障害や神経麻痺(まひ)を起こすことがあるので,注意が必要です.
百 日 咳
●百日咳菌の飛沫感染によって起こる病気です.
●百日咳は普通の風邪のような症状で始まります.その後,咳がひどくなり,顔をまっ赤にして連続的に咳込むようになります.コンコンコンと激しい咳のあとに息をヒューと吸い込みます.熱はでません.
●乳幼児は咳で呼吸ができず,チアノーゼやけいれんが起きることがあります.
●肺炎や脳症などの重い合併症を起こします.乳児では命を落とすことがあります.
破 傷 風
●破傷風はヒトからヒトへ感染するのではなく,破傷風菌が土の中にひそんでいて,傷口からヒトの体内に入って感染します.体内に入った破傷風菌が増殖すると,菌が産生する毒素のために口が開けられない,けいれん,呼吸が出来なくなるなどの症状が起こって,死亡することがあります.
●自分では気がつかない程度の軽い傷から感染します.
●日本中どこにでも土の中に破傷風菌がいますので,常に感染する機会があります.
3種混合ワクチンの受け方
○生後3カ月になったら直ぐに,I期初回1,2,3回目の接種を受けましょう. 1,2,3回目は3-8週間の間隔をあけて下さい.
・I期1,2回目の接種が済めば,概ね抗体が獲得できます.早めに接種を受けましょう.
・8週間以上の間隔があいた場合でも,3回きちんと受けて下さい.
○I期初回3回目の接種後, 12-18カ月後にI期追加の接種を受けて下さい.
○II期は11-12歳(小学校6年生)に2種混合(DT)を追加接種します.
3種混合ワクチンの副反応
○接種当日か翌日に,0.2-1.7%のお子さんが発熱しますが,1-2日で下がります.発熱した場合には解熱剤の坐薬を使用して差し支えありません.
○接種3-7日後に,14-42%のお子さんに,接種部位の発赤(あかみ),腫脹(はれ),硬結(しこり)が生じます.免疫反応が起こっているための現象ですので,心配ありません.アイスノンなどで冷やして下さい.直径2-3cm程度は様子を見てください.5cm以上腫れた場合には湿布薬やかゆみ止めを処方します.受診して下さい.まれに,上腕全体が腫れることがあります.
○硬結(しこり)が残ることがありますが,少しずつ小さくなり,数カ月で自然に消失します.様子をみて下さい.
○I期初回で腫脹(はれ)がひどい場合には(通常5cm以上),次回の3種混合ワクチンは半量(0.25ml)に減量して接種します.合計2回分のワクチン量で通常免疫を獲得できます.
接種を受けた後の注意
○接種当日はいつも通りの生活でかまいませんが,激しい運動は避けて下さい.入浴は差し支えありません.
○接種した部位は揉まないで下さい.押さえるだけで十分です.わざとこするのはやめましょう.
○3種混合ワクチン接種後は,1週間は他のワクチンを接種できません.ただし,3種混合ワクチンどうしは3-8週間の間隔をあけて下さい.
病気の後の予防接種までの期間
○麻疹の治癒後4週間,風疹・水痘・おたふくかぜの治癒後2-4週間,突発性発疹・手足口病・伝染性紅斑などの治癒後1-2週間程度は,予防接種を受けない方がよいでしょう.ただし,疾病流行期はこの限りでありません.
○上記疾患以外で高熱が出た場合には,1週間は予防接種を受けない方がよいでしょう.
結核について
●結核は菌陽性肺結核患者が咳をした時などに飛散する菌で空気感染(飛沫核感染)します.
●感染すると肺には初感染原発巣が形成され,まもなく肺門リンパ節にも病巣を作ります.80%程度はこの段階で病巣に石灰が沈着して治癒しますが,結核菌が血行性,リンパ行性,あるいは管内性に全身どの臓器にも拡がることがあり,肺結核,結核性髄膜炎,粟粒結核,胸膜炎,骨関節結核,腎結核等を起こし得ます.肺結核が最も多く,結核患者の約80%を占めます.発病は感染後1年以内のことが多いですが,病巣内に閉じ込められた結核菌は長く生存できるので10-20年後に発病することもあります.
●わが国では今でも毎年3万人以上の人が結核を発病しています.発病者の約半数は60歳以上の高齢者ですが,小児,若年者の結核もみられます.ここ数年,集団感染が問題になっています.結核に対する免疫は,お母さんから赤ちゃんへ移行しないので,生まれたばかりの赤ちゃんも結核に感染する可能性があります.乳幼児は結核に対する抵抗力が弱いので,感染すると全身性の結核症や結核性髄膜炎になり重い後遺症が残る場合があります.
●結核の化学療法の進歩をめざましく,ほとんどの例を薬で治すことができますが,6カ月以上の治療が必要です.
BCGの効果
○BCG接種により,結核の発病を,接種をしなかった時の4分の1に抑えることができます.
○BCG接種は,結核性髄膜炎や粟粒結核など小児の重篤な結核の発病予防にとくに効果があります.
○BCGを1度接種すれば,その効果は10-15年程度持続します.
BCGの受け方
○BCGは通常生後3カ月以上6カ月未満で接種を受けます.
○法律上は生後0カ月から接種を受けられますが,先天性免疫不全症のまぎれ込みを考慮して生後3カ月未満では接種を行いません.
○健康上等の理由により生後6カ月未満で接種を受けられなかった場合には,生後6カ月以上1歳未満で接種を受けることができますが,公費負担の対象になるかどうかは居住市町村により異なります.
○1歳以上でBCG接種を受ける場合には任意接種になります.この場合,BCG接種の前にツベルクリン反応を行う必要があります.
○BCGは生ワクチンですが,細胞性免疫を直接刺激するため,ガンマグロブリン製剤の投与を受けた場合でも接種を受けることができます.
○アトピー性皮膚炎や湿疹の治療で副腎皮質ステロイド外用剤を使用している場合でも,接種局所に塗布していない場合には,BCG接種を受けることができます.
BCG接種後の正常皮膚反応
○BCG接種後10日頃に接種部位に赤いポツポツができ,一部に小さな膿を持つようになります.接種後4-6週間くらいが接種部位の赤みが一番強く,やがてかさぶたができます.接種後2-3カ月くらいすると赤みや膿はなくなり,やがて針痕(はりあと)が残ります.以上の経過は,BCG接種後の正常の皮膚反応で,BCG接種により免疫が成立した証拠です.
(※クリックで画像拡大)
BCGの副反応
○まれに,接種した側のわきの下のリンパ節が腫れることがあります.通常,放置をしてかまいません.腫れが大きくなる,ただれる,化膿して破れてしまった場合には,当院を受診してください.
コッホ現象に注意!!
●BCG接種後1-10日以内に,接種局所に発赤,腫脹が生じ.さらに針痕部位が化膿することがあります.これを「コッホ現象」と呼びます.BCG接種後にこのような現象が起きた場合には,過去に結核に感染している可能性があります.早めに当院を受診してください.
接種を受けた後の注意
○接種部位はどこにも触れないように気を付けながら,自然乾燥させてください.約10分で乾きます.
○接種部位をわざとこするのはやめましょう.
○接種当日は普段通りの生活でかまいません.激しい運動は避けて下さい.入浴は差し支えありません.
○BCG接種後は,4週間は他のワクチンを接種できません.
病気の後の予防接種までの期間
○麻疹の治癒後4週間,風疹・水痘・おたふくかぜの治癒後2-4週間,突発性発疹・手足口病・伝染性紅斑などの治癒後1-2週間程度は,予防接種を受けない方がよいでしょう.ただし,疾病流行期はこの限りでありません.
○上記疾患以外で高熱が出た場合には,1週間は予防接種を受けない方がよいでしょう.
麻疹(はしか)に自然感染したとき
●麻疹(はしか)は麻疹ウイルスの飛沫(ひまつ)感染によって起こる病気です.伝染力が強く,一生のうちに一度は必ずかかる重い病気です.
●主症状は,発熱,せき,鼻汁,眼やに,発疹です.
●最初3-4日間は38℃前後の熱がでて,一時治まりかけたかと思うとまた39-40℃の高熱と発疹が出現します.高熱は3-4日で解熱し,次第に発疹も消失します.しばらくは色素沈着が残ります.
●主な合併症としては,気管支炎,肺炎,中耳炎,脳炎があります.患者100人中,中耳炎は7-9人,肺炎は1-5人に合併します.脳炎は2000-3000人に1人の割合で発生がみられます.また亜急性硬化性全脳炎(あきゅうせいこうかせいぜんのうえん)(SSPE)という慢性に経過する脳炎は約10万例に1例発生します.
●麻疹は昔から「命定め」と呼ばれている恐い病気です.麻疹にかかった人の1000人に1人は死亡します.わが国では,年間約50人の子が麻疹で命を落としています.現在の医療水準でも死亡することがある恐い病気です.麻疹の経過中に急性循環不全(血圧がストンとさがって,心臓がパタッと止まる)が起きて,あっという間に死亡することがあります.重症化するか否かは誰にも予見できません.
風疹に自然感染したとき
●風疹はウイルスの飛沫(ひまつ)感染によっておこる病気です.潜伏期間は2-3週間です.
●軽い風邪症状で始まり,主症状は発疹,発熱,頸部リンパ節腫脹です.眼球結膜が充血することもあります.熱,発疹ともに3日間くらいで治るので,「三日ばしか」と俗称されますが,麻疹(はしか)とは全く別の病気です.
●血小板減少性紫斑病,脳炎,関節痛などが合併症として知られています.血小板減少性紫斑病は患者3000人に1人,脳炎は患者5000人に1人起こります.
●年長児や大人がかかると一般に重症化しやすく,3日で治らないことが多いようです.
●妊娠初期に風疹にかかると,生まれてくる赤ちゃんに心奇形,白内障,聴力障害を引き起こすことがあります(先天性風疹症候群と呼びます).妊娠年齢までに予防接種を受けておくことが大切です.
麻疹風疹混合ワクチンの受け方
麻疹風疹混合ワクチンは2回接種を受けます.第1期:生後12月から24カ月に至るまでの間第2期:5歳以上7歳未満で,小学校入学の1年前から前日まで*ただし,麻疹ワクチン,風疹ワクチンをいずれも未接種で,麻疹,風疹のいずれにも未罹患の者
○1歳のお誕生日を過ぎたら直ぐに接種を受けて.1歳のお誕生日にお子さんにケーキやお祝いをあげるよりも,麻疹風疹混合ワクチンを接種してあげることの方が重要です.
○接種前3カ月以内に輸血またはガンマグロブリン製剤の投与を,接種前6-11カ月以内にガンマグロブリン大量療法を受けた方は,接種を受けられません.
○接種した95%以上の人が免疫を獲得できます
麻疹風疹混合ワクチンの効果麻疹風疹混合ワクチンの接種後の麻疹HI抗体陽転率は99.7%,風疹抗体陽転率は100%です.
麻疹風疹混合ワクチンの副反応
○麻疹風疹混合ワクチンは弱毒生ワクチンなので,ワクチン株が体内で増殖します.接種後4週間は副反応の出現に注意しましょう.
○接種後,37.5以上の発熱が22.3%,発疹が8.6%,注射部位紅斑が5.8%出現します.いずれも接種後5-14日して出現することが多いです.通常は1-2日で自然に治るので,心配ありません.
○発熱が生じた場合には,解熱剤の坐薬を使用して下さい.
○発熱に伴いまれに熱性けいれんが起こる場合があります.過去に熱性痙攣を起こしたことがあるお子さんは,ひきつけ止めの座薬(ダイアップ)を使用して下さい(あらかじめ坐薬を用意しておくとよいでしょう.当院で処方します).
○ごくまれに(100-150万人に1人)脳炎の発生が報告されています.
○痙攣が出現した場合,発熱や発疹が持続する場合には受診して下さい.
接種を受けた後の注意
○接種当日はいつも通りの生活でかまいませんが,激しい運動は避けて下さい.入浴は差し支えありません.
○接種した部位は揉まないで下さい.押さえるだけで十分です.わざとこするのはやめましょう.
○麻疹風疹ワクチン接種後は,4週間は他のワクチンを接種できません.
病気の後の予防接種までの期間
○麻疹の治癒後4週間,風疹・水痘・おたふくかぜの治癒後2-4週間,突発性発疹・手足口病・伝染性紅斑などの治癒後1-2週間程度は,予防接種を受けない方がよいでしょう.ただし,疾病流行期はこの限りでありません.
○上記疾患以外で高熱が出た場合には,1週間は予防接種を受けない方がよいでしょう.
水痘に自然感染したとき
●水疱を伴う赤い発疹が,口の中から陰部,頭の中まで全身に出現します.発疹は2-3日でピークとなり,その後乾いて黒いかさぶたになります.治癒まで5-7日くらいかかります.
●水痘にかかると1週間は保育所や学校を休まないといけません.
●水疱が化膿すると,アバタになって残ることがあります.
接種を受ける時の注意
○予診票は正確に記入して下さい.御自宅で体温を計測して来院して下さい.
○接種前3カ月以内に輸血またはガンマグロブリン製剤の投与を,接種前6-11カ月以内にガンマグロブリン大量療法を受けた方は,接種を受けられません.
○接種後14日以内にガンマグロブリンの投与を受けると効果が得られなくなることがあります.
接種不適当者
○発熱,喘鳴などの症状があり体調不十分な場合には接種を受けられません
○妊娠している場合には接種を受けられません.
接種後の症状
○接種後1-3週間頃,発熱,発疹が出現することがありますが,数日中に消失します.
○まれに,接種直後にじんましん,口唇の腫れ,呼吸困難などのアナフィラキシー症状が出現することがあります.接種後しばらく院内にいて下さい.
○接種部位に発赤,腫脹,硬結が出現することがあります.
○接種後に帯状庖疹が生ずることがありますが,水痘の自然感染後の発症率と同等か低率です.
接種後の注意
○接種当日は激しい運動は避けて下さい.
○接種部位を清潔に保ち,こすったり,揉んだりしないようにして下さい.
○接種当日の入浴は差し支えありません.
○水痘(みずぼうそう)ワクチンの接種後4週間は他のワクチンを接種できません.
病気の後の予防接種までの期間
○麻疹の治癒後4週間,風疹・水痘・おたふくかぜの治癒後2-4週間,突発性発疹・手足口病・伝染性紅斑などの治癒後1-2週間程度は,予防接種を受けない方がよいでしょう.ただし,疾病流行期はこの限りでありません.
○上記疾患以外で高熱が出た場合には,1週間は予防接種を受けない方がよいでしょう.
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎,ムンプス)に自然感染したとき
●おたふくかぜは,ウイルスによって起こる病気です.耳下腺,顎下腺の腫れと発熱が主な症状で,2-9歳の頃にかかることが多く,3-4歳が最多です.潜伏期間は2-3週間で,耳下腺が腫れる7日前から9日後くらいの間は,人にうつす可能性があります.学校伝染病のひとつに指定されており,耳下腺の腫れが消えるまでは,登校・登園が禁止になります.
●おたふくかぜの合併症として,無菌性髄膜炎が3-10%に起こります.また,難聴が数万人に1人程度起こります.男子が思春期以降にかかった場合は,睾丸炎を併発することがあり,男性不妊症を起こす心配があります.
●流行期間中におたふくかぜのお子さんと接触して,既に感染している場合があります.この場合には,接種を受けても間に合わず,おたふくかぜの症状が出てしまうことがあります.
おたふくかぜワクチンの接種について
○おたふくかぜワクチンは任意接種で,希望者だけが自費で接種を受けることになっています.
○1歳を過ぎれば接種できます.1歳になったら直ぐに麻疹風疹ワクチンを,そのまた4週間後におたふくかぜワクチンの接種を受けることができます.ただし,流行期にはこの限りではありませんので,御相談下さい.
○おたふくかぜワクチンは生ワクチンですので,接種後1カ月近くは体内で弱毒ウイルスが生きています.この間は,副反応の発現や体調の変化に気をつけてください.
おたふくかぜワクチンの接種を受けた後の副反応
○接種後2-3週間たった頃,まれに発熱,耳下腺の腫れ,嘔吐,せき,鼻汁などを認めることがあります.一般に症状は軽く,通常,数日中に消失します.
○自然におたふくかぜにかかった場合に比べて頻度は少ないですが,おたふくかぜワクチンによる疑いのある無菌性髄膜炎が接種後2-3週間頃にごくまれに発生することがあります.無菌性髄膜炎になると,発熱,嘔吐,頭痛などの症状が出現します.このような症状が出現した場合には受診してください.通常,2週間前後で軽快,回復します.
接種を受けてはいけない人
○明らかにに発病している人
○重い急性の病気にかかっている人
○カナマイシン・エリスロマイシン(抗生物質)等の投与を受けて,アナフィラキシー(ひどいアレルギー反応)を起したことがある人
○免疫不全の人
○妊娠している人
○接種前3カ月以内に輸血またはガンマグロブリン製剤の投与を受けた人
○接種前6-11カ月以内にガンマグロブリン大量療法を受けた人
○その他,医師が接種に不適当な状態と判断した人
接種を受けるにあたって注意が必要な人
○上記以外に,医師が接種を行う際に,注意を要する人がいます.予診票は正確に記入し,からだに気がかりなことがある方はご相談下さい.
接種を受ける時の注意
○からだの調子がよい時に接種を受けてください.
○元気がない,きげんが悪い,食欲がすすまないなど,ふだんと変わったことがあれば御相談下さい.このような時は無理をせずに,次の機会に接種を受けて下さい.
○体温は家を出る前に測定してきてください.
○「母子健康手帳」を接種日に持参してください.
接種を受けた後の注意
○接種当日はいつも通りの生活でかまいませんが,激しい運動は避けて下さい.入浴は差し支えありません.
○接種した部位は揉まないで下さい.押さえるだけで十分です.わざとこするのはやめましょう.
○おたふくかぜワクチン接種後4週間は他のワクチンを接種できません.
病気の後の予防接種までの期間
○麻疹の治癒後4週間,風疹・水痘・おたふくかぜの治癒後2-4週間,突発性発疹・手足口病・伝染性紅斑などの治癒後1-2週間程度は,予防接種を受けない方がよいでしょう.疾病流行期はこの限りでありません.
○上記疾患以外で高熱が出た場合には,1週間は予防接種を受けない方がよいでしょう.
日本脳炎に自然感染したとき
●日本脳炎はウイルスの感染で起こります.このウイルスはヒトからヒトに直接感染するわけではありません.ウイルスがブタの体内で増殖して,蚊(コガタアカイエカ)によって媒介され,ヒトに感染します.
●7-10日の潜伏期間の後に,突然,高熱,頭痛,嘔吐(おうと),意識障害,けいれんなどの症状が出現して,急性脳炎になります.
●流行は西日本に多いですが,ウイルスは北海道など一部の地域を除くほぼ日本全国に分布しています.これらの地域では,ブタでの流行が毎年6月から10月まで続きます.この間に80%以上のブタが感染します.
●日本脳炎の好発年齢は,60歳を中心とした成人と5歳未満の幼児です.以前は児童にも好発していましたが,予防接種の普及により減っています.
●感染者のうち,1000〜5000人に1人が脳炎を発症します.脳炎にかかったときの死亡率は約15%ですが,知能や精神,神経に重い後遺症を残す人が約50%あります.
●無菌性髄膜炎や夏かぜ様の症状で終わる人もいます.
日本脳炎ワクチンについて
○日本脳炎ワクチンは不活化ワクチンです.生(なま)ワクチンのように生きたウイルスが含まれているわけではありません.ワクチン株が体内で増えるわけではないので,十分な抗体獲得と免疫の維持には決められた接種回数と間隔を守ることが重要です.
日本脳炎ワクチンの受け方
| 第I期 | 生後6カ月から90カ月の間に,基礎免疫として3回の接種を受けます. 通常は,3歳になったら1-4週の間隔で2回受け,概ね1年後に1回の接種 を受けます. 流行地では3歳未満で接種を受けた方がよい場合がありますが,接種する ワクチン量が半分になります. |
| 第II期 | 9-12歳(通常9歳,小学校4年生)に1回,追加接種を受けます. |
○生後90カ月(7歳半)から9歳までと13歳以降は,対象年齢からはずれますので,公費による接種を受けられません.
この年齢で接種する場合には任意接種扱いになって自費になりますので,御注意下さい.
日本脳炎ワクチンの副反応
○接種後2日以内に37.5℃以上の発熱が1.6%,注射部位の発赤,腫脹が11%出現します.発疹が0.3%以下出現しますが,通常は心配ありません.発熱した場合には解熱剤の坐薬を使用してかまいません.
(*乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンの副反応は123例中49例(39.8%)に認められました(1回目接種から3回目接種の累計).主なものは発熱(18.7%),咳嗽(11.4%),鼻漏(9.8%),注射部位紅斑(8.9%)で,これらの副反応のほとんどは接種3日後までにみられました.)
○接種後に,高熱,けいれんが生じた場合には,受診して下さい.
接種を受けた後の注意
○接種当日はいつも通りの生活でかまいませんが,激しい運動は避けて下さい.入浴は差し支えありません.
○接種した部位は揉まないで下さい.押さえるだけで十分です.わざとこするのはやめましょう.
○日本脳炎ワクチン接種後は,1週間は他のワクチンを接種できません.日本脳炎ワクチンどうしは1-4週間の間隔をあけて下さい.病気の後の予防接種までの期間
○麻疹の治癒後4週間,風疹・水痘・おたふくかぜの治癒後2-4週間,突発性発疹・手足口病・伝染性紅斑などの治癒後1-2週間程度は,予防接種を受けない方がよいでしょう.ただし,疾病流行期はこの限りでありません.
○上記疾患以外で高熱が出た場合には,1週間は予防接種を受けない方がよいでしょう.
自然感染したとき
ジフテリア
●ジフテリア菌の飛沫(ひまつ)感染によって起ります.感染は主に咽頭ですが,鼻にも感染します.
●ジフテリア菌が感染すると, 10%の人に症状が発現します.残りの90%の人は感染しても発病せずに(=不顕性感染),保菌者となってジフテリア菌を排出し,他の人に感染させます.
●症状は高熱,のどの痛み,犬吠様の咳,嘔吐などで,のどに偽膜(ぎまく)を形成して窒息死することがある恐ろしい病気です.
●発病2-3週間後には菌の出す毒素によって心筋障害や神経麻痺(まひ)を起こすことがあるので,注意が必要です.
破 傷 風
●破傷風はヒトからヒトへ感染するのではなく,破傷風菌が土の中にひそんでいて,傷口からヒトの体内に入って感染します.体内に入った破傷風菌が増殖すると,菌が産生する毒素のために口が開けられない,けいれん,呼吸が出来なくなるなどの症状が起こって,死亡することがあります.
●自分では気がつかない程度の軽い傷から感染します.
●日本中どこにでも土の中に破傷風菌がいますので,常に感染する機会があります.
2種混合ワクチンの受け方
3種混合(DPT)ワクチンに引き続き,11-12歳(小学校6年生)で2種混合(DT)ワクチンの接種を受けます.
2種混合ワクチンの副反応
○37.5℃以上の発熱が0-5%のお子さんが発熱しますが,1-2日で下がります.発熱した場合には解熱剤の坐薬を使用して差し支えありません.
○接種部位の発赤,腫脹,硬結などが0-8.8%のお子さんに認められますが,2-3日で消失します.
○硬結(しこり)が残ることがありますが,少しずつ小さくなり,数カ月で自然に消失します.様子をみて下さい.
接種を受けた後の注意
○接種当日はいつも通りの生活でかまいませんが,激しい運動は避けて下さい.入浴は差し支えありません.
○接種した部位は揉まないで下さい.押さえるだけで十分です.わざとこするのはやめましょう.
○2種混合ワクチン接種後は,1週間は他のワクチンを接種できません.
病気の後の予防接種までの期間
○麻疹の治癒後4週間,風疹・水痘・おたふくかぜの治癒後2-4週間,突発性発疹・手足口病・伝染性紅斑などの治癒後1-2週間程度は,予防接種を受けない方がよいでしょう.ただし,疾病流行期はこの限りでありません.
○上記疾患以外で高熱が出た場合には,1週間は予防接種を受けない方がよいでしょう.
インフルエンザワクチンの組成
○インフルエンザワクチンには,A香港型,Aソ連型,B型が全て含まれています.インフルエンザワクチンは不活化ワクチンなので,効果は数カ月しか持続しません.また,流行株は毎年微妙に変化します.昨年ワクチンを接種した,インフルエンザに罹患したから,今年は受けなくて大丈夫という訳ではありません.毎年,接種することをお勧めします.最近10年間は,流行株とワクチン株は一致しています.
インフルエンザワクチンの効果
○インフルエンザワクチンの予防効果は70-80%です.接種をしたからインフルエンザに絶対にかからないという訳ではありません.ただし,ワクチンを接種した場合には,たとえ発症したとしても,40℃以上の熱がでない,有熱期間が短い,合併症を起こしにくい,症状が軽くて済むなどのメリットがあります.
インフルエンザワクチンの接種時期・接種間隔
○インフルエンザは毎年12月下旬から流行が始まります.接種後の抗体上昇に2週間かかるので,10-11月,遅くとも12月中には接種を済ませておきましょう.13歳未満の方は2回の接種が必要です.1回目と2回目の間隔は1-4週間です(できれば4週間隔が望ましいです).13歳以上の方は1回でも効果があります(受験生などで十分な免疫獲得を希望される場合には2回接種をお勧めします).
インフルエンザワクチンの接種上の注意
○卵アレルギーが明確な人(食べるとひどい蕁麻疹や発疹が出たことがある,口腔内がしびれたことがある)は接種に注意が必要です.接種前に必ずご相談ください.接種前に皮内反応を実施します.
○鶏卵,鶏肉にアナフィラキシーがある人は接種を受けることができません.○通常,1回目は左腕に,2回目は右腕に接種します.
インフルエンザワクチン接種後の注意
○接種当日は過激な運動は避けて下さい.注射部位は清潔にして下さい.
○接種当日に入浴しても差し支えありません.
○注射部位が赤く腫れたり,痛んだりすることがありますが,通常2-3日で治ります.通常は心配ありません.万一,高熱や痙攣が生じるなど,体調が不良の場合には,受診して下さい.
○ごくまれに,ワクチン接種後,アナフィラキシーショック,じんましん,喘鳴などが起こることがあります,接種後30分間は院内で休んでいて下さい.
○ごくまれに急性散在性脳脊髄炎(ADEM)が起こることがあります.接種後数日から2週間以内に,発熱,頭痛,痙攣,運動障害,意識障害などが現れた場合にはADEMの可能性があります.
他のワクチンとの間隔
○生ワクチン(麻疹風疹,おたふく,水痘,ポリオ,BCGなど)接種後は4週間,不活化ワクチン(3種混合,2種混合,日本脳炎など)接種後は1週間たたないと,インフルエンザワクチンを接種することはできません.
○インフルエンザワクチン接種後は1週間たたないと,他のワクチンを接種することはできません.
病気の後の予防接種までの期間
○麻疹の治癒後4週間,風疹・水痘・おたふくかぜの治癒後2-4週間,突発性発疹・手足口病・伝染性紅斑などの治癒後1-2週間程度は,予防接種を受けない方がよいでしょう.ただし,疾病流行期はこの限りでありません.
○上記疾患以外で高熱が出た場合には,1週間は予防接種を受けない方がよいでしょう.
麻疹(はしか)に自然感染したとき
●麻疹(はしか)は麻疹ウイルスの飛沫(ひまつ)感染によって起こる病気です.伝染力が強く,一生のうちに一度は必ずかかる重い病気です.
●主症状は,発熱,せき,鼻汁,眼やに,発疹です.
●最初3-4日間は38℃前後の熱がでて,一時治まりかけたかと思うとまた39-40℃の高熱と発疹が出現します.高熱は3-4日で解熱し,次第に発疹も消失します.しばらくは色素沈着が残ります.
●主な合併症としては,気管支炎,肺炎,中耳炎,脳炎があります.患者100人中,中耳炎は7-9人,肺炎は1-5人に合併します.脳炎は2000-3000人に1人の割合で発生がみられます.また亜急性硬化性全脳炎(あきゅうせいこうかせいぜんのうえん)(SSPE)という慢性に経過する脳炎は約10万例に1例発生します.
●麻疹は昔から「命定め」と呼ばれている恐い病気です.麻疹にかかった人10000人に1人の割合で死亡します(死亡率としてはかなりの高率です).わが国では,現在でも,年間約50人の子が麻疹で命を落としています.現在の医療水準でも死亡することがある恐い病気です.麻疹の経過中に急性循環不全(血圧がストンとさがって,心臓がパタッと止まる)が起きて,あっという間に死亡することがあります.重症化するか否かは誰にも予見できません.
麻疹ワクチンの受け方
○1歳のお誕生日を過ぎたら直ぐに接種をして下さい.1歳のお誕生日にお子さんにケーキやお祝いをあげるよりも,麻疹ワクチンを接種してあげることの方が重要です.標準的な接種年齢は生後12-15カ月です.
○保育園や幼稚園に通うお子さんは,生後9カ月頃に麻疹ワクチンの接種を受けて下さい(任意接種なので自費になります).この場合,母体からの免疫の影響でワクチンのつきが十分でない場合がありますので,1歳半頃にもう1度接種を受けて下さい(公費負担で無料になります).
○接種前3カ月以内に輸血またはガンマグロブリン製剤の投与を,接種前6-11カ月以内にガンマグロブリン大量療法を受けた方は,接種を受けられません.
○ 接種した95%以上の人が免疫を獲得できます.
麻疹ワクチンの副反応
○麻疹ワクチンは弱毒生ワクチンなので,ワクチン株が体内で増殖します.
○接種して5-14日後に,37.5-38.4℃の発熱が5.3%,38.5℃以上の発熱が8.1%,発疹が5.9%出現します.通常は1-2日で自然に治るので,心配ありません.
○発熱が生じた場合には,解熱剤の坐薬を使用して下さい.
○発熱に伴い熱性けいれんが約300人に1人起こります.過去に熱性痙攣を起こしたことがあるお子さんは,ひきつけ止めの座薬(ダイアップ)を使用して下さい(あらかじめ坐薬を用意しておくとよいでしょう.当院で処方します).
○発疹や痙攣が出現した場合,発熱が持続する場合には受診して下さい.
予防接種の神経合併症の頻度 −自然感染との比較−
| 疾 患 | 神経合併症の出現頻度 | |
| 自然感染 | ワクチン接種 | |
| 急 性 脳 炎 | 1/1000 | 1/100万以下 |
| 亜急性硬化性全脳炎(SSPE) | 16/100万 | 0.9/100万 |
接種を受けた後の注意
○接種当日はいつも通りの生活でかまいませんが,激しい運動は避けて下さい.入浴は差し支えありません.
○接種した部位は揉まないで下さい.押さえるだけで十分です.わざとこするのはやめましょう.
○麻疹ワクチン接種後は,4週間は他のワクチンを接種できません.
病気の後の予防接種までの期間
○麻疹の治癒後4週間,風疹・水痘・おたふくかぜの治癒後2-4週間,突発性発疹・手足口病・伝染性紅斑などの治癒後1-2週間程度は,予防接種を受けない方がよいでしょう.ただし,疾病流行期はこの限りでありません.
○上記疾患以外で高熱が出た場合には,1週間は予防接種を受けない方がよいでしょう.