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<長期管理薬と発作止め>
気管支喘息の治療は,抗アレルギー薬(ケトテン,メキタミンなど),抗ロイコトリエン受容体拮抗薬(シングレア,オノン),テオフィリン製剤(テルバンス,テオドール,アーディフィリンなど)などの内服,ステロイド(フルタイド,キュバール,パルミコート吸入液など)やDSCG(インタール,ステリネブクロモリン) の吸入などの長期管理薬が基本になります.
しかし,梅雨時や秋など季節の変わり目や感染症罹患時などに,発作が起こることがあります.このような場合には,β2刺激薬を用いて発作を止めなければなりません.
<β2刺激薬の種類>
β2刺激薬には3種類あります.
1.吸入液:メプチン吸入液ユニット,メプチンキッドエアーなど
2.内服剤:ホクナリン,スピロペントなど
3.貼付剤:ホクナリンテープなど
*吸入液と内服薬は発作止め,貼付剤は長期管理薬として用いるのが原則です.
β2刺激薬の作用時間には違いがあります.
1.吸入液:吸入して直ぐに効く.
2.内服剤:内服して30分くらいで効いてくる.
3.貼付剤:貼ってから4-5時間して最も効く.
β2刺激薬には利点と欠点があります.
1.吸入液:メプチン吸入液ユニットは加圧式ネブライザーを持っていないと使えない.メプチンキッドエアーは小児とくに乳幼児では(吸入補助具を使っても)うまく吸えないことがある.
2.内服剤:水がないと飲めない.夜間の場合は,本人が目を覚まして起きないといけない
3.貼付剤:たとえ本人が寝ていても親が貼るだけでよい.水がいらない.
<β2刺激薬の使い方>
喘息の発作が起きた場合,使用するβ2刺激薬の優先順位は,
1.吸入液→2.内服剤→3.貼付剤です.
3.貼付剤は,やむを得ない場合に使用します.

1.吸入液:
加圧式ネブライザーを持っている場合または吸入補助具で上手に吸入できる場合には,発作が起きたら,吸入液を使用してください.1回吸入をして喘息の発作がおさまれば,様子を見てください.
発作がおさまらない場合には,20-30分後にもう1度吸入をしてください.喘息の発作がおさまれば,様子を見てください.
自宅での吸入は1晩に3回までが限度です.3回メプチンを吸入しても発作が止まらない場合には,受診が必要です.
2.内服剤:
加圧式ネブライザーを持っていない場合または吸入補助具で上手に吸入できない場合には,内服剤を使用してください.1回内服をして喘息の発作がおさまれば,様子を見てください.
発作がおさまらない場合には,8-12時間後にもう1度内服をしてください.喘息の発作がおさまれば,様子を見てください.発作が止まらない場合には,受診が必要です.
3.貼付剤:
吸入液や内服剤と違い,貼付剤は発作止めではありません.原則として長期管理薬として使用してください.しかし,吸入液が使用できない,内服剤を使用できないなど,やむを得ない場合には,貼付剤を用いてください.発作が止まらない場合には,受診が必要です.
<β2刺激薬の併用>
β2刺激薬(メプチン吸入液ユニットなど)の吸入で発作がおさまらない場合には,β2刺激薬内服剤(ホクナリン,スピロペントなど)またはβ2刺激薬貼付剤(ホクナリンテープなど)を併用してかまいません.
(注意!)
β2刺激薬内服剤(ホクナリン,スピロペントなど)とβ2刺激薬貼付剤(ホクナリンテープなど)は併用しないでください.併用すると心臓がドキドキして,血圧が上がることがあります.
<加圧式ネブライザー購入のすすめ>
喘息発作が起きた場合には,β2刺激薬の吸入が第1選択です.
小児気管支喘息の80%は,3歳までに発症します.乳幼児では加圧式ネブライザーを用いないと,上手に吸入ができません.
小児気管支喘息は思春期までに60-70%は軽快しますが,30-40%は治癒に至りません.小児期とくに乳幼児期の喘息のコントロールが良い=発作の回数が少ないほど,喘息が治癒する可能性が高くなります.
「火事はすぐに消せ!」と言いますが,喘息発作も同じで,すぐに止めた方がよいです.
自宅に加圧式ネブライザーがあると発作をすぐに止められるので,本人はすごく楽です.加圧式ネブライザーの購入をお勧めします.
ご希望の方はご相談ください.医療器械店をご紹介します.

<β2刺激薬への過度依存は危険!!>
β2刺激薬は発作そのものを止める作用があります.しかし,気道過敏性を改善する作用はないので,喘息の長期予後を改善しません.
使用頻度が高い場合には日頃の治療が不十分です.内服薬の種類や量,ステロイド吸入量などの見直しが必要になります.
「β2刺激薬を使えば発作が止まるから,それでいいや〜」 =(β2刺激薬への過度依存) という考えは大変危険です!!十分ご注意ください!! |