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気管支喘息の治療のこつ

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現在は,気管支喘息の発作を起こさないように治療することが大原則になっています.発作を起こしてぜいぜいすると,その度に気管支の粘膜が荒れてしまい,ちょっとした刺激(ほこり,ダニによるアレルギー反応)でも発作を起こすようになってしまいます.これを「気道過敏性が亢進する」と言います.小さな発作でもきちんとコントロールしないと,気管支喘息が悪化してしまい,しまいには「焦げ付いた喘息」になります.小児期の喘息を成人に持ち越さないように,早めに治療しましょう.
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きちんと治療をしていれば気管支喘息の60-70%は思春期までに自然に軽快します.しかし,「発作が起きた時だけ治療すればいいや」という考えでいいかげんに治療していると,治る年齢も遅くなりますし,やっかいな難治性の喘息になってしまいます.環境整備,内服薬,吸入療法が治療の3本柱です.環境整備は発作の回数を減らし,内服薬,吸入療法の効果を高めることができます.これらを上手に組み合わせることで,気管支喘息をコントロールしましょう.

(1)環境整備掃除:
気管支喘息はアレルギー反応により起こります.身のまわりのアレルギーを引き起こす物質(アレルゲンといいます)を減らすことで,症状を軽くすることができます.家の中のほこり,チリ,ダニ,カビを減らす努力をしましょう.
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ペット:
動物の上皮,皮屑(フケ),唾液などが喘息発作を引き起こします.毛のある動物,とくにネコは最も喘息と関係が深いので,飼うのはやめましょう.

タバコ:
家人のタバコは絶対にやめましょう,線香,

花火:
線香,花火の煙も喘息の発作を誘発します.
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(2)内服薬
気管支喘息の内服薬には,テオフィリン製剤(テオドール,テルバンス,アーディフィリンなど),β2刺激剤(ホクナリン,ベラチン,スピロペントなど),抗アレルギー薬(ザジテン,ケトテン,ジキリオン,ニポラジン,メキタミンなど),ロイコトリエン受容体拮抗剤(オノン,シングレア),漢方薬(柴朴湯,小青竜湯,麦門冬湯,麻杏甘石湯など)があります.これらを上手に組み合わせることで喘息の発作回数を減らすことができます.

(3)吸入療法
気管支喘息の吸入療法には,気管支拡張剤(メプチンなど),抗アレルギー薬(インタール,ステリネブクロモリンなど),ステロイド剤(フルタイド,キュバール,パルミコートなど)があります.これらを上手に組み合わせることで喘息の発作回数を減らすことができます.

気管支喘息の非発作時の治療

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<なぜ,発作もないのに治療をするのか?>
気管支喘息は気道(気管・気管支)が収縮して狭くなり,コンコン,ゼイゼイ,ヒューヒューを繰り返す病気です.このようにコンコン,ゼイゼイ,ヒューヒューが聞こえる状態を「発作」と呼び,気道(気管・気管支)は収縮します.
発作が治まると気道(気管・気管支)が拡張して,すっかり元の状態に戻ると思っていませんか?もし,そのように思っていれば,それは「間違い」です.

最近の研究により,気管支喘息では,ダニやハウスダストなどのアレルゲン,ウイルスや細菌の感染などの刺激で,気道(気管・気管支)粘膜に「炎症」が起こることが分かって来ました.気道粘膜の炎症の結果,次の5つのことが起こり,気道が狭くなります.
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(1)気管支平滑筋の収縮:
気道の外周にある筋肉を気管支平滑筋と言いますが,これが収縮して急激に気道が狭くなり,空気の出入りが妨げられます.

(2)粘膜の浮腫:
気道の粘膜の血管から血液の成分がもれて,粘膜がむくみます.この結果,空気の出入りが妨げられます.

(3)粘液の過剰分泌:
気道にある分泌線からたくさんの粘液が分泌され,気道の中に詰まります(粘液栓と呼びます).空気の出入りが妨げられます.

(4)炎症細胞による粘膜の破損:
血液の中から粘膜に出てきた好酸球という細胞が気道の粘膜をはがしてしまいます.

(5)神経への刺激:
粘膜の細胞がはがれたために,神経が露出し,わずかな刺激(ダニ,ハウスダスト,ウイルス,細菌,たばこの煙など)にも敏感になり,気道がさらに過敏に反応するようになります(「気道過敏性が亢進する」と言います).

コンコンという咳が出る程度の軽い発作(親から見ると風邪を引いたようにしか見えない),軽いゼイゼイ(聴診器をあてないと分からない,背中に耳をあてるをやっと分かる),ひどいゼイゼイ,ヒューヒューという喘鳴(こうなると誰にでも分かる)が起こると,少なからず(1)(2)(3)(4)のように気道粘膜に「炎症」が起きて,(5)のような「気道過敏性の亢進」した状態が数週間から数カ月続き,次の発作を起こしやすくなります.
発作が治まって安心して治療をしないと,(5)→(1)→(2)→(3)→(4)→(5)→・・・・・と悪循環になって,気道粘膜は「炎症」のためにどんどん荒れてしまい,「気道過敏性がさらに亢進」して,気管支喘息が悪化します.いわゆる,「焦げ付いた気管支喘息」になってしまいます.
このような悪循環が続くと,だんだんと気道が狭くなって来て,気道の柔軟性がなくなっていきます.日本では小児の気管支喘息で1年間に50-100人程度が死亡していますが,非発作時に継続的な治療をしないと,ある日突然大きな発作が起こって,大変なことになる可能性があります.

<気管支喘息はよく「火事」に例えられます.>
家の中で何かに火がついて燃え始めました.水をかけたり,消火器を使って消しますね.消さないでいれば部屋中に火がまわってしまい,ついには家全体が燃えてしまいます.最後に消防車がやって来て消火にあたります.水や消火器での消火が不十分だと,火種が残ってしまって,再び燃え始め,やっぱり家全体が燃えてしまいます.

<気管支喘息は治療の継続が必要です.>
喘息の症状が自覚されなくても,気管支には炎症(火事)が長く続いています.一度炎症が起こると,気道が敏感になる状態は,数週間から数カ月続きます.発作時だけ治療をするのは,時代遅れです.
10数年前までは発作時しか治療していませんでしたが,その結果,[焦げ付いた気管支喘息]になってしまって,いつまでも治らなかったのです.

<気管支喘息の非発作時の治療>
それでは,気道の炎症を落ち着かせて,発作を起こさないために,どうしたらいいでしょうか?

(1)内服薬を続ける,さぼらない!!
◎テオフィリン製剤(テオドール,テルバンス,アーディフィリン,スロービットなど):
気管支拡張作用があります.最近の研究では抗炎症作用があることが明らかになりました.
◎抗アレルギー剤(ザジテン,ケトテン,ジキリオン,セルテクトなど):
気管支喘息はアレルギーにより起こる病気です.抗アレルギー剤は,アトピー性皮膚炎,アレルギ−性鼻炎,アレルギー性結膜炎,じんましんなどにも効果があります.
◎ロイコトリエン受容体拮抗剤(オノン,シングレア):
アレルギー反応に引き続いて起こる炎症や気道収縮を抑える作用があります.
◎漢方薬(柴朴湯,小青竜湯,麦門冬湯,麻杏甘石湯など):
漢方薬のなかには炎症を抑える作用を持つ成分を含むものがあります.

(2)吸入療法を続ける,さぼらない!!
◎抗アレルギー剤(インタール,ステリネブクロモリン):
気管支粘膜に作用して,アレルギー反応を抑える作用があります.さらに,アレルギー性炎症を抑制する作用,神経原性アレルギー反応の抑制作用など,多彩な作用機序を持っています.
◎ステロイド剤(フルタイド,キュバール,パルミコート吸入液など):
気管支粘膜に作用して,アレルギー反応,炎症反応を抑える作用があります.

<非発作時の治療はどの程度になったら始めるのか?>
症例によって違うので一概には言えませんが,1年間に3-4回発作を繰り返す場合,1-2回でも大きな発作があった場合には,非発作時の継続的な治療が必要になります.

<非発作時の治療はどのくらいの期間続けるのか?>
症例によって違うので一概には言えませんが,1-2年間全く発作がない場合に,内服薬や吸入薬を次第に減らして行きます.全ての治療をいきなりやめて発作が起こると困るので,内服薬や吸入薬は1種類ずつ減らしていきます.小さな発作,夜間の咳,動いた後の咳がある場合には,治療を継続した方がいいでしょう.

気道過敏性の亢進

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<気道過敏性の亢進とは?>
気管支喘息の発作時には,空気の通り道である気道が狭くなり空気の流れが妨げられます.その結果,ゼイゼイやヒューヒュー(喘鳴),咳がひどい,息が苦しい・胸が苦しい(呼吸困難)などの症状が起こります.
このような場合,気管支平滑筋の収縮(気道が狭くなる)とともに,気道粘膜の浮腫(気道がむくむ),気道分泌物の増加(痰が増える),炎症細胞の浸潤,気道上皮の障害などが生じ,気道およびその粘膜は荒れた状態になってしまいます.
β2刺激薬(メプチン,ホクナリン,ベラチンなど)やアミノフィリン製剤(テオドール,テルバンスなど)の投与により,喘鳴,咳,呼吸困難などの表面上の症状が治まっても,気道の荒れた状態はすぐには回復しません.怪我をして皮膚が傷付いた場合,出血が止まっても,皮膚はすぐには元に戻りません.気道や気管支粘膜も同様です.

こうした状態に,タバコの煙,排気ガス,室内のホコリやダニ,冷たい空気,臭い,ストレス,疲労,気圧の変化,気温の変化,湿度の変化,感染,運動などの刺激が加わると,気管支喘息の発作が起きてしまいます.
健常者では反応しないようなわずかな刺激であっても,気管支喘息で気道が荒れている場合には反応してしまいます.これを「気道過敏性の亢進」と呼びます.たき火の後,水をかけると火は消えます.しかし,消火が不完全だと燃えかすは残り,うちわであおぐとすぐにまた燃え上がります.気道や気管支粘膜も同様です.

一旦気管支喘息の発作を起こすと,「気道過敏性の亢進」は短くて数週間,長い場合には数カ月持続します.近年,気管支喘息の基本病態は気道の慢性炎症と定義され,過敏性を引き起こしている慢性の気道炎症を鎮静させることが気管支喘息の管理において重要と考えられています.

<治療は?>
気道炎症を抑える薬剤として最も効果が高いのは,吸入ステロイド薬(商品名:フルタイド,キュバール,パルミコート吸入液)です.抗炎症効果が高く全身性の副作用が少ないという特徴があります.抗ロイコトリエン受容体拮抗薬(同:オノン,シングレアなど)も効果があり,単独または吸入ステロイド薬との併用で使用されます.

<きちんと治療しないと...>
小児気管支喘息の約80%は3歳以下で発症します.喘息が寛解(=病気が落ち着くこと,厳密には治癒とは異なる)に至ることが多い年齢は,小学校入学時と思春期です.幼児期あるいは学童期に適切な治療を受けた場合には,それぞれ小学校入学時あるいは思春期に気管支喘息が寛解に至る確率が高くなります.
しかし,適切な治療を受けずに,「気道過敏性の亢進」した状態を放置すると,喘息の発作を繰り返し,「気道過敏性の亢進」がさらに進み,治りにくい喘息になってしまいます.やがて薬剤に対する反応が悪くなり,成人喘息に移行します.

小児気管支喘息の60-70%は思春期までに自然軽快または治癒すると言われていますが,裏を返せば30-40%は治癒に至らないすなわち成人期以降に喘息を持ち越します.成人喘息は小児喘息と異なり,治りにくく,治癒に至る確率は5%程度と言われています.

「咳も喘鳴もないのになぜ喘息の治療を受けなければならないのか?」「咳も喘鳴もないのになぜ定期通院をしなければならないのか?」これらの問いに対する答えが「気道過敏性の亢進」です.

<どうしたらいいの?>
気管支喘息はきちんと治療しましょう!それがお子さんを将来の喘息発作から救う唯一の方法です.

気管支喘息の内服薬

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(1)テオフィリン製剤(テオドール,テルバンス,アーディフィリンなど)
気管支拡張作用があり,喘鳴(ぜいぜい)を止める作用があります.また,気道粘膜における抗炎症作用もあります.テオフィリン製剤は,長期間服用しても効果が落ちません.喘息の発作時あるいは調子がよくて発作がない時にも予防薬として服用する場合があります.

量が多過ぎると寝つきが悪くなったり,ドキドキしたり,ひどい場合にはひきつけを起こすことがあります.熱性けいれんやてんかんなどの既往がある場合には,通常使用しません発熱時には血中濃度が上昇するので,減量が必要になります.

体重を目安に処方しますが,テオフィリン製剤をからだの中で分解する速度は個人差,年齢差が大きいので,投与量を決めるために血中濃度の測定が必要です.
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(2)β2刺激剤(ホクナリン,ベラチン,スピロペント,ホクナリンテープなど)
気管支拡張作用があります.喘息の発作やせきを止める効果があります.風邪や気管支炎の時に処方する気管支拡張剤と同じです.テオフィリン製剤と作用の仕方が違います.喘息の発作時あるいは調子がよくて発作がない時にも予防薬として服用する場合があります

(3)抗アレルギー薬(ザジテン,ケトテン,ジキリオン,ニポラジン,メキタミンなど)
からだの中で起きるアレルギー反応を抑える作用があります.気管支喘息だけでなく,アトピー性皮膚炎,アレルギー性鼻炎,アレルギー性結膜炎,じんましんなどにも効果があります.

(4)ロイコトリエン受容体拮抗剤(オノン,シングレア)
気管支粘膜ではアレルギー反応に引き続いて炎症反応が起こります.炎症反応が起こると気管支の収縮が起こり,さらに気管支粘膜が荒れます.気管支の収縮,喘息の進展を防いでくれる薬です.アレルギー性鼻炎の鼻閉にも効果があります.

(5)漢方薬(柴朴湯,小青竜湯,麦門冬湯,麻杏甘石湯など)
体力,体質によって選びます.

テオフィリンいろいろ

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気管支喘息の治療薬であるテオフィリン製剤には以下の3剤型があります.

1.テオドール,テルバンス,アーディフィリンDS(ドライシロップ)
乳幼児用に開発されたもので,粒子が細かく,味がまあまあ良いので,最も服用しやすいです.ただし,薬価が高いので,経済的負担が大きくなります.

2.テオドールG
上記のDS(ドライシロップ)の前に開発されたもので,薬効は全く同じです.粒子が粗く,味がよくないので,服用しづらいという欠点があります.ただし,薬価が安いので,経済的負担が減ります.
4-5才でききわけの良いお子さんであれば,服用できます.DS(ドライシロップ)から剤型変更を御希望の方はいつでもおっしゃって下さい.

3.テオドール50mg,100mg,200mg錠,アーディフィリン100mg,200mg錠
1錠50mg,100mg,200mgの3種類があります.錠剤が最も薬価が安いです.7-8才以上のお子さんであれば服用が出来ます.
ただし,錠剤を組み合わせても,ちょうどよい薬容量にならない場合には,DS(ドライシロップ),テオドールGを服用しないといけなくなります.
(*テオロング,スロービットなどもテオドールと全く同じ成分です.)

テオフィリンの血中濃度

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<なぜテオフィリンの血中濃度を測るのか?>
一般の薬剤では,治療域(治療にちょうどよい),安全域(治療域を越えているが中毒にはならない),中毒域(薬物中毒症状を起こす)があり,多少,量が多くても中毒になりません(下図参照:安全域あり!).
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テオフィリン(テオドール,テルバンス,アーディフィリン,テオロング,スロービットなど)は気管支喘息や喘息性気管支炎の基本的な治療薬ですが,安全域がなく,治療域を越えるといきなり中毒域に達してしまいます(下図参照:安全域なし!!).
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テオフィリンの代謝は個人差が非常に大きく,年齢により変化します.
このため,一般の薬剤のように体重をもとに薬剤量を計算しても,その量が適当かどうかは分かりません.血液を採取して,テオフィリンの血中濃度を測定する必要があります.

テオフィリンの至適血中濃度は,
小児では5-15μg/ml,成人では10-20μg/mlです.

<どんな時に血中濃度を測るの?>
代謝の速度が変わりやすい乳幼児,服用しているけれど喘鳴がおさまらない人,長期間服用する必要のある人は,テオフィリンの血中濃度を測定する必要があります.

長期間服用している気管支喘息の方は,副作用チェックを兼ねて半年に1度は,検査を受けて下さい.

朝の服用分を飲んで午前中に来院して下さい.

<注意することは?>
14員環マクロライド系抗生剤のエリスロシン,クラリス,クラリシッド,抗ウイルス剤のゾビラックス,アシクロビンなどはテオフィリンの血中濃度を上昇させます.

これらの薬剤を併用する場合には,テオフィリン製剤を減量するか,頻回に血中濃度を測定しなければなりません.

一方,抗痙攣剤のテグレトールなどは血中濃度を低下させます.

併用薬剤には十分注意して下さい.

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高熱の場合,嘔吐が続いて脱水状態では,テオフィリンの血中濃度が上がります.このような場合には,中毒を起こさないように,いつも服用している量の3分の2から2分の1程度に減量して下さい!!

<テオフィリンの中毒症状は?>
軽症では頭痛,不眠,嘔吐,興奮,動悸などですが,重症では痙攣,意識障害などを起こすことがまれにあります.

ただし,頭痛,不眠,興奮,痙攣などは,テオフィリンの血中濃度が治療域でも起こることがあります.テオフィリンの服用中にこれらの症状が出現した場合には,服用を中止して下さい.

<テオフィリン関連痙攣>
テオフィリンの血中濃度が高すぎると痙攣が起こります.これを「テオフィリン関連痙攣」と呼びます.テオフィリン関連痙攣は一般の痙攣に比べ,止まりにくく,痙攣がおさまっても後遺症が残ることがあります.テオフィリンの服用にあたっては医師の指示をよく守り,十分に注意してください.

喘息発作時のβ2刺激薬の使い方

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<長期管理薬と発作止め>
気管支喘息の治療は,抗アレルギー薬(ケトテン,メキタミンなど),抗ロイコトリエン受容体拮抗薬(シングレア,オノン),テオフィリン製剤(テルバンス,テオドール,アーディフィリンなど)などの内服,ステロイド(フルタイド,キュバール,パルミコート吸入液など)やDSCG(インタール,ステリネブクロモリン) の吸入などの長期管理薬が基本になります.

しかし,梅雨時や秋など季節の変わり目や感染症罹患時などに,発作が起こることがあります.このような場合には,β2刺激薬を用いて発作を止めなければなりません.

<β2刺激薬の種類>
β2刺激薬には3種類あります.

1.吸入液:メプチン吸入液ユニット,メプチンキッドエアーなど
2.内服剤:ホクナリン,スピロペントなど
3.貼付剤:ホクナリンテープなど
*吸入液と内服薬は発作止め,貼付剤は長期管理薬として用いるのが原則です.

β2刺激薬の作用時間には違いがあります.
1.吸入液:
吸入して直ぐに効く.
2.内服剤:内服して30分くらいで効いてくる.
3.貼付剤:貼ってから4-5時間して最も効く.

β2刺激薬には利点と欠点があります.
1.吸入液:
メプチン吸入液ユニットは加圧式ネブライザーを持っていないと使えない.メプチンキッドエアーは小児とくに乳幼児では(吸入補助具を使っても)うまく吸えないことがある.
2.内服剤:水がないと飲めない.夜間の場合は,本人が目を覚まして起きないといけない
3.貼付剤:たとえ本人が寝ていても親が貼るだけでよい.水がいらない.

<β2刺激薬の使い方>
喘息の発作が起きた場合,使用するβ2刺激薬の優先順位は,
1.吸入液→2.内服剤→3.貼付剤です.
3.貼付剤は,やむを得ない場合に使用します.
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1.吸入液:
加圧式ネブライザーを持っている場合または吸入補助具で上手に吸入できる場合には,発作が起きたら,吸入液を使用してください.1回吸入をして喘息の発作がおさまれば,様子を見てください.
発作がおさまらない場合には,20-30分後にもう1度吸入をしてください.喘息の発作がおさまれば,様子を見てください.
自宅での吸入は1晩に3回までが限度です.3回メプチンを吸入しても発作が止まらない場合には,受診が必要です.

2.内服剤:
加圧式ネブライザーを持っていない場合または吸入補助具で上手に吸入できない場合には,内服剤を使用してください.1回内服をして喘息の発作がおさまれば,様子を見てください.
発作がおさまらない場合には,8-12時間後にもう1度内服をしてください.喘息の発作がおさまれば,様子を見てください.発作が止まらない場合には,受診が必要です.

3.貼付剤:
吸入液や内服剤と違い,貼付剤は発作止めではありません.原則として長期管理薬として使用してください.しかし,吸入液が使用できない,内服剤を使用できないなど,やむを得ない場合には,貼付剤を用いてください.発作が止まらない場合には,受診が必要です.

<β2刺激薬の併用>
β2刺激薬(メプチン吸入液ユニットなど)の吸入で発作がおさまらない場合には,β2刺激薬内服剤(ホクナリン,スピロペントなど)またはβ2刺激薬貼付剤(ホクナリンテープなど)を併用してかまいません.
(注意!)
β2刺激薬内服剤(ホクナリン,スピロペントなど)とβ2刺激薬貼付剤(ホクナリンテープなど)は併用しないでください.併用すると心臓がドキドキして,血圧が上がることがあります.

<加圧式ネブライザー購入のすすめ>
喘息発作が起きた場合には,β2刺激薬の吸入が第1選択です.

小児気管支喘息の80%は,3歳までに発症します.乳幼児では加圧式ネブライザーを用いないと,上手に吸入ができません.

小児気管支喘息は思春期までに60-70%は軽快しますが,30-40%は治癒に至りません.小児期とくに乳幼児期の喘息のコントロールが良い=発作の回数が少ないほど,喘息が治癒する可能性が高くなります.

「火事はすぐに消せ!」と言いますが,喘息発作も同じで,すぐに止めた方がよいです.

自宅に加圧式ネブライザーがあると発作をすぐに止められるので,本人はすごく楽です.加圧式ネブライザーの購入をお勧めします.

ご希望の方はご相談ください.医療器械店をご紹介します.
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<β2刺激薬への過度依存は危険!!>
β2刺激薬は発作そのものを止める作用があります.しかし,気道過敏性を改善する作用はないので,喘息の長期予後を改善しません.
使用頻度が高い場合には日頃の治療が不十分です.内服薬の種類や量,ステロイド吸入量などの見直しが必要になります.

「β2刺激薬を使えば発作が止まるから,それでいいや〜」
=(β2刺激薬への過度依存)
という考えは大変危険です!!十分ご注意ください!!

気管支喘息の吸入療法

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気管支喘息の吸入療法には,気管支拡張剤,抗アレルギー薬,ステロイド剤があります.これらを上手に組み合わせることで喘息の発作回数を減らすことができます.

(1)気管支拡張剤(β2刺激剤:メプチン吸入液ユニット,メプチンエアー,メプチンキッドエアー)
気管支を拡張して,喘息の発作を止める作用があります.原則として喘息の発作時に使用します.メプチン吸入液ユニットの使用には加圧式ネブライザーが必要になります.メプチン(キッド)エアーは携帯に便利な小型器具ですが,吸入にはコツが必要ですので,専用の吸入補助器具を使用します.

(2)抗アレルギー薬(DSCG:インタール吸入液,ステリネブクロモリン吸入液,インタールエアゾルA)
気管支粘膜に作用して,アレルギー反応を抑える作用があります.さらに,アレルギー性炎症を抑制する作用,神経原性アレルギー反応の抑制作用など,多彩な作用機序を持っています.

予防薬なので,非発作時も1日2回毎朝,寝る前に必ず吸入をして下さい. 吸入液の使用には加圧式ネブライザーが,エアゾルの使用には専用の吸入補助器具が必要です.

乳幼児,小学校低学年までの気管支喘息のお子さんは,加圧式ネブライザーを購入して下さい.25000円程度します.当院で医療器具会社を御紹介します.電器店で一般に販売されている吸入器では役に立たたないものがあるので,御注意下さい.加圧式ネブライザーを用いないと,吸入液が気管支の奥深くまで十分に入って行きません.購入をお勧めします.

<DSCG,β2刺激剤の使用方法>
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インタール・ステリネブクロモリン吸入液は1本2mlです.非発作時には毎朝1-2ml,寝る前1-2mlを必ず吸入して下さい(1日1-2本使用します).
発作(咳き込み,ぜいぜい)が起ったら,メプチン吸入液ユニット3-4滴をインタール・ステリネブクロモリン吸入液1-2mlに混ぜて吸入して下さい.メプチン吸入液ユニット3-4滴だけでは量が少ないため液がうまく飛びません.
メプチンの吸入をしても発作が治まらない場合には受診して下さい.
インタール・ステリネブクロモリンは発作がなくてもきちんと続けて下さい.いつもぜいぜいしているお子さんは,インタール・ステリネブクロモリンとメプチンを継続的に併用することがあります.

(3)ステロイド剤(フルタイド,キュバール,パルミコート吸入液など)
気管支粘膜に作用して,アレルギー反応,炎症反応を抑える作用があります.気管支喘息の長期管理では基本となる薬剤です.

吸入で使用する分には気管支粘膜にしか作用しないので,全身への影響はありません.量,回数をきちんと守っていれば安全です.一般的に,フルタイドエアー200-400μg/日以下では副作用は起きません.

ステロイド剤を吸入した後は必ずうがいをして下さい.うがいをさぼると口の中にカビが繁殖します.

フルタイド,キュバールの使用には専用の吸入補助器具が,パルミコート吸入液の使用には加圧式ネブライザーが,必要です.

吸入器の取り扱い・吸入療法のコツ

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喘息のお子さんには吸入療法をお勧めします.小さいお子さんは自分で上手に吸入することができないので,加圧式吸入器(圧力で吸入液が勝手に気管支に入っていく)が必要です.

<注文>
当院より,小木医科器械(0258-24-5331,長岡東バイパス新組交差点付近,新幹線高架交差部)に吸入器(ボヤージ)とネブ球(日商式)を代行発注します.商品が届きましたら,当院からご自宅に電話連絡します.代金(25000円程度)は小木医科器械に銀行振込で直接支払って下さい.在庫にもよりますが,約1週間かかります.連絡がない場合には当院に再度お尋ね下さい.

<吸入液>
吸入液は当院で処方します.

1. DSCG(インタール,ステリネブクロモリン吸入液)は抗アレルギー剤で喘息発作を予防する薬です(発作を直接止める作用はありません).発作の回数が減り,たとえ起きても大きな発作になりにくくなります.早期に低年齢から吸入を始めた方が予防効果が高いことが証明されています.発作のない時にも朝,眠前にきちんと吸入して下さい.

2. β2刺激剤(メプチン吸入液ユニット)は気管支拡張剤で,発作そのものを止める作用があります.しかし,気道過敏性を改善する作用はないので,喘息の長期予後を改善しません.使用頻度が高い場合には日頃の治療が不十分ですので,内服薬の種類や量,ステロイド吸入量などの見直しが必要になります.ご注意ください.

<実際の吸入療法>
1.
非発作時 DSCG(インタール,ステリネブクロモリン吸入液)1-2mlを朝,眠前に吸入して下さい.1本2mlです.1日に1-2本使用します.

2.発作時 DSCG(インタール,ステリネブクロモリン吸入液)1-2mlにメプチン吸入液ユニット3-4滴を加えて吸入して下さい.メプチン吸入液ユニット3-4滴だけでは量が少ないので,うまく飛びません,
1回メプチンを吸入して喘息の発作がおさまれば,様子を見てください.メプチンを吸入しても効果がない場合には,20-30分後にもう1度メプチンを吸入してください.喘息の発作がおさまれば,様子を見てください.
自宅での吸入は1晩に3回までが限度です.3回メプチンを吸入しても発作が止まらない場合には,受診が必要です.
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3.発作時の併用薬:β2刺激剤(メプチン吸入液ユニット)の吸入で発作がおさまらない場合には,β2刺激剤貼付薬(ホクナリンテープなど)またはβ2刺激剤内服薬(ホクナリン,スピロペントなど)を併用してかまいません.
(*β2刺激剤貼付薬(ホクナリンテープなど)とβ2刺激剤内服薬(ホクナリン,スピロペントなど)は併用しないでください.)

<取り扱い>
1.
別売のガラス製ネブ球を使用して下さい.吸入器付属のプラスチック製ネブ球では,吸入液がうまく飛びませんし,汚れがたまり不潔です.使用方法が分からない場合にはお尋ね下さい.
2.ネブ球は使用するたびに水洗いをして下さい.1週間に1度は温湯で洗浄しミルトン等で消毒をして下さい.
3.ネブ球についている小さな黒いゴム栓をなくさないように注意して下さい.なくした場合にはコルク栓を削るか,ホームセンターで似たものを探して使用して下さい.ゴム栓だけを購入することはできません.
4.ネブ球を噛んで割るお子さんがいますので注意して下さい.
5.ネブ球内面がカビで黒ずんだり,割れた場合には,新しいものを購入して下さい.ネブ球にはまれに不良品があります.吸入液が出ない,霧状にならないなどのトラブルがある場合には新しいものに取り替えてくれます.当院に御連絡下さい.
6.吸入器とネブ球をつなぐチューブは数カ月に1度は新しいものに取り替えて下さい.カビや雑菌がついて不潔です.ホームセンターで同じ径のビニールチューブを1.0-1.5mお買い求め下さい.
7.うまく吸入できないお子さん,ネブ球を噛んでしまうお子さんには,ネブ球先端につけるクマさんマスク(約900円)があります.購入御希望の方は御相談下さい.
8.アレルギ−性鼻炎,副鼻腔炎,鼻炎などの鼻閉に用いる場合には,ネブ球先端につける鼻管(約630円)があります.購入御希望の方は御相談下さい.

<ポイント>
1.
喘息の発作が起きたら直ぐに吸入をして下さい.ぐずぐずしていると気道の炎症が進んで,大きな発作になることがあります.たき火(小発作)はバケツの水(吸入,点滴)で消すことができますが,家が火事になれば消防車(入院)を呼ばなければいけません.
2.吸入器は鼻にも使用できます.アレルギー性鼻炎,慢性副鼻腔炎にも有効です.ネブ球先端につける鼻用のアダプターは別売です.吸入液が異なりますので,御相談下さい.
3.吸入器は大人も使用できます.風邪をひいて喉がいがいがする時,鼻がつまって苦しい時,痰が絡んで苦しい時にご利用下さい.吸入液がない場合には,水道水でも気持ちいいものです.

<注意>
1.
陥没呼吸(喘息の発作が激しくて肩で息をして,胸のまん中がへこむ)やチアノーゼ(顔色が青白い)がある場合には入院が必要です.まれに,夜間休日に突然大発作になることもあります.この場合には救急病院を受診して下さい.
2.喘息はこどもの病気のなかでは決してめずらしくありません.しかし,日本国内で年間50-100人は窒息などで死亡しています.人口動態統計によれば,死亡理由は男児では第5位,女児では第8位が気管支喘息です.
3.環境整備に加え,内服薬,吸入薬などを上手に利用して発作を起こさないようにしましょう.
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