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ノロウイルス胃腸炎流行中

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2010年1月下旬から2月上旬にかけて,当院周辺ではノロウイルスによる急性胃腸炎が流行しています.例年は11月下旬から12月に流行しますが,今冬は流行時期が1-2カ月遅いようです.

ノロウイルスは,急性胃腸炎を起こすウイルスにひとつで,ヒト‐ヒトで伝播します.主に小児で流行しますが,成人も罹患します.学校や保育所などで患者が集団発生することがあります.一家全員が同時にかかることもあります.

ノロウイルスの潜伏期は1-2日です.半日から1日程度の嘔気や嘔吐,その後に続く下痢が主症状です.腹痛,頭痛,発熱,悪寒,筋痛,咽頭痛などを伴うことがあります.ウイルスは症状が消失した後も3-7日間ほど患者の便中に排出されるため,2次感染に注意が必要です.一般に症状は軽症で,治療を必要とせずに軽快します.しかし,小児では激しく嘔吐し,容易に脱水,アセトン血性嘔吐症(自家中毒)に陥り,点滴が必要になることがしばしばあります.まれに重症化する例もあり,免疫力の低下した老人や乳児では死亡例が報告されています.

ノロウイルスに感染した人の嘔吐物や便に触れた場合や,感染した人が不十分な手洗いのまま触ってしまった器物に触れた人が十分な手洗いをせずに飲食をすることにより感染します.

感染予防には,(1)患者の嘔吐物の処理にあたってはゴム手袋などを着用し,ペーパータオルなどで嘔吐物が周囲に広がらないようにし,ビニール袋などに密閉して処理をする,(2)嘔吐物や便の片付けに使用した用具や雑巾類は,塩素系漂白剤を用いてつけ置き洗いを行う,(3)嘔吐物,便で汚れた床は,塩素系漂白剤を含ませた布で覆い,しばらく放置して消毒する,(4)嘔吐物や便が付着した衣類などは他の物と別に洗濯した後に十分にすすぐ,(5)調理前,食事前,用便後には必ず石鹸を用いて十分に時間をかけて手洗いを行う,などの注意が必要です.

家庭用塩素系漂白剤は6%の濃度なので,100倍に希釈すると600ppmになり,3分以上の付け置きで効果があります.

ノロウイルスは,生ガキによる集団食中毒の原因としても有名です.カキの中腸腺に蓄積されたノロウイルスがヒトの小腸で増殖し,急性胃腸炎を引き起こします.食中毒の好発時期もノロウイルス胃腸炎の流行期と同様に11-12月です.食中毒の場合には喫食後すぐに発症します.食中毒予防のためには,(1)カキなど2枚貝を生で食べない,加熱して食べる場合には中心部まで十分に火を通す(ウイルスが死滅するためには85℃以上,1分以上の加熱が必要),(2)果物や生野菜は数回水をかえて十分に洗う,(3)ウイルスに汚染された貝類を調理した手,包丁,まな板などからサラダなどの生食用の食材に汚染が広がらないようにする,(4)腹痛,下痢などの症状がある人は調理をしない,(5)調理前,用便後の手洗いは石鹸を用いて十分に行う,などの注意が必要です.食品衛生法上,食中毒が疑われる場合は24時間以内に最寄りの保健所に届け出なければなりません.

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