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小児の呼吸器感染症の特徴

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小児,とくに新生児や乳児では,免疫能が十分に発達していません.さらに,ウイルスや細菌なのでの病原体と初めて接触することが多いため,初感染が重症化する場合があります.

年齢層別にみると,新生児期にはB群溶血性連鎖球菌,大腸菌,トラコーマ・クラミジアなど,乳幼児期には肺炎球菌,インフルエンザ菌,ブドウ球菌,百日咳菌,RSウイルス,インフルエンザウイルス,アデノウイルス,クラミジアなど,学童期にはマイコプラズマ,肺炎マイコプラズマ,インフルエンザ菌,肺炎球菌,インフルエンザウイルスなどが原因になります.年齢により好発する呼吸器感染症が異なります.

小児は成人に比べ,気道が狭いため僅かな分泌物でゼーゼー・ヒューヒューなどの狭窄症状を起こしやすい,気道軟膏の発達が十分でないため気道がつぶれやすく狭窄症状が出やすい,咳が弱いために喀痰の排出がしづらい,新生児や乳児では口呼吸が確立していないため鼻腔に分泌物が貯まると呼吸困難になりやすい,呼吸中枢が未熟なため無呼吸を起こしやすい,呼吸予備能が低いために軽微な要因でも呼吸困難に陥りやすい,胸郭が柔らかく肋骨が平行なために十分な換気量を確保しにくい,呼吸筋とくに横隔膜の働きが未発達であるなどの傾向を示します,このため,感染が原因で呼吸困難や呼吸不全になりやすく,慎重な観察と十分な治療が必要になります.

小児では成人に比べ,行動範囲が狭く,学校や保育所など集団で過ごすことが多いために,各種感染症の流行を認めることがあります.

2008年3月初旬,当院周辺ではA型インフルエンザ,溶連菌感染症が流行しています.インフルエンザ罹患により喘息発作を起こすお子さんがいますが,喘鳴を生じるのは前述した小児の呼吸器の特性によるものです.溶連菌感染症もかなりの規模で流行しており,適切な診断をして十分な除菌をしないと,急性糸球体腎炎やリウマチ熱などを起こしてしまいます.

小児は単に成人を小さくしたものではなく,機能的な「弱さ」をあわせ持っています.
私たち小児科医は,小児の呼吸器の特性を理解した上で診療をしています.小児が「風邪」を含む呼吸器感染症に罹患した場合には,まず小児科医を受診してください.