せきたか通信 No.4
[2002年]
発 行 日 平成15年 3月22日
最終更新日 平成15年 3月22日

【公約】
美しい地球を子どもたちに
持続可能な社会の実現
〜広げよう長岡から〜
■長岡を環境先進都市へ
■長岡市財政の健全化
■政治システムの改革
関たかし、このまま走り続けます! お元気ですか? 早いもので、4年の任期も終わろうとしています。自分なりに精一杯やってきたつもりですし、活動の一端を「せきたか通信」としてお届けさせても頂きました。皆様はどんな評価をなさいますでしょうか? お聞かせ願えれば有り難いです。
その1予防原則
私は10年程前から環境問題に関心を持ち、ここ数年は勉強も重ねてきました。
どんな問題でもそうなのでしょうが、環境問題も深く追求すると実に様々な事に気が付きます。
その気付きの一つに、現代社会での危機管理能力もしくは予防原則の欠如があります。この観点から私個人を見てみますと、例えば車のスタッドレスタイヤへの履き替えなんかがそれに当たると思うのです。毎年のことなのですが、冬が近づき雪が降ることが分かっていても、ギリギリまで(大抵は一雪降るまで)履き替えません。どうせ履き替えるのだから、安全重視で早めに行えばいい筈なのですが、これができないのです。子供の時分には、少々寒くても厚着しないので、よく親に「風邪ひくからセーター着なさい」と注意されたものです。皆さんも日常生活のいろんな場面で感じる事があるのではないかと思います。
空き缶拾い箱そして、これが社会レベルになった場合は、例えば水俣病・サリドマイド事件・ヤコブ病・薬害エイズ事件といった形で現れます。バブル崩壊後の経済対策や狂牛病もそうですが、実は事件そのものを防いだり又は被害の拡大を防ぐ事ができたのです。危ないという情報(警告)が事前に発せられていたのです。危険を察知していたが対策を講じなかった為に、被害者は国を相手取り裁判を起こしたのです。
これらの事件は、命や未来の優先順位(重要度)が低下してきていることを物語っているような気がしてなりません。では、命よりも優先度の高いものはなんだったのでしょうか? 考えると、いろいろと浮かんできます。命よりも重要なものがある社会は正常と言えるのでしょうか? 私は、自殺者の増加や凶悪犯罪の増加も、命が軽くなってしまった結果と捉えています。
さて、地球環境問題や財政問題で予防原則は発揮されているでしょうか? 答えは否。水俣病や薬害エイズ事件と同じ道をたどっています。これらの事件よりも環境・財政問題のほうが、因果の時間的スパンが長かったり、被害者と加害者の区別がつきにくかったりするために、予防原則の適用がいっそう難しいのです。
環境省がまとめた環境白書は「人類の活動は地球の限界を突破した」と認識しています。国連のUNEPは「地球温暖化防止は既に手遅れ」との報告書をまとめ、ヨハネスブルグの環境開発サミットでは重要な事が決まらなかった為に、「地球の敗北」と報道されました。その他にも多数の科学者が既に警告を発しています。地球環境問題は私達や未来世代の生命存続の問題です。過去の過ちを繰り返す訳にはいきません。日本の財政についても、多くの学者や研究者が警告を発している状況です。
では、我々はどうすればよいのか? 私と一緒に考えてみませんか。気軽にお声がけ下さい。



その2 救急救命士問題を通して
感じた議会のあり方

 『一年程前に新聞各紙で取り上げられた話題です。』

救急救命士 新聞記事要約
長岡市消防本部(消防本部とは、簡単に言うと救急車や消防車を運行しているところです)で、救急救命士(救急車で搬送中に患者への処置を行う人)が法律で医師にしか認められていない気管内挿管(心肺停止患者への処置で、肺への酸素供給が目的)を医師の指導の下、5年間で383人に対し実施していたことが判明。県は消防庁(消防組織のトップで、国の機関)からの通達を受け、実施しないよう県内の各消防本部に指導。
長岡日赤病院の外山副院長は「気管内挿管によって心肺停止患者の蘇生率は上がる。救命士にも技術があるなら、法律で禁じられていても、救命という本来の役目を重視すべき」としており、救命士は病院で1ヶ月の研修を受けていたとのこと。
長岡市消防本部でも「医師の指示を受け、電話で連絡を取りながら実施した。違法だとは分かっていたが、一分一秒を争う中での善意の判断だった」とコメントしている。

私はこの記事を見たとき、違法と知りながらでも人命を救う行動に感動を覚えました(当たり前の事なのですが、今の世の中それがなかなかできない)。消防長とお話させていただきましたが、公務員にありがちな「ことなかれ主義」を脱し、マスコミ対応等、正々堂々とした行動に長岡市消防本部の心意気を見た思いです。また、現場の救命士や、外山医師をはじめとした長岡市医師会も無念であったことでしょう。
国はこの問題の検討を始めましたが、未だに法改正には至っていません。
当時私は、こんな時に早急に長岡市議会ができる事は、国に対し法改正の意見書を提出する(議会はそんな事もできるのです)ことだと考え、議長を含め数人の議員と話し合いました。意見書の提出については多数の議員が賛成でしたが、その提出時期については議員間での相違がありました。1県・市・長岡市医師会など関係機関と十分に調整した上で3月議会に提出する(議会を開かないと意見書は提出できません)。23月より以前に意見書の為の臨時議会を開いき早急に提出する。という二つに分かれました。
私は2でいくべきと考えていました。人命にかかわる事ですので、一刻も早く法改正要望を提出すべきと思ったからです(意見書を提出したからといって、国がそれに応えるとは限らないのですが)。また、市議会は独立機関であり、更に我々長岡市で起こった問題です。真っ先に議会が消防本部や医師会への応援体制を示し、その上で関係機関へ追随を促すくらいのリーダーシップを取ることを主張していました。
結果から述べると、2月21日に臨時議会を開いて国への意見書を採択しました(国に送ることになりました)。
臨時議会を開いて採択した事は評価しますが、私は1月中に臨時議会を開いて採択するべきであったと考えています。議会は市政のチェック機能にとどまらず、リーダーシップを発揮する時代です。そんな事から、少し残念な結果でした。