せきたか通信 No.4(3/4)

その4 一般質問
02年3月議会
(質問要旨)
え〜それでは…水俣病の事例でも分かるように、環境ホルモンや化学物質過敏症についての科学論争に決着がつくには長い時間を要する。しかしながら、化学物質汚染と疑われる異変も自然界・人間界を問わず数多く報告されている。1997年のG8環境大臣会合において「子供は既存の汚染レベルや濃度基準以下でも健康問題を生ずる可能性があるので、情報が十分でない現在は予防原則にのっとり、子供の健康を守らなければならない」と宣言している。
そこで、一つ一つの物質への個々の規制にとどまることなく、トータルな危険性の回避のため、子供のあらゆる生活場面で口・鼻・皮膚を通しての化学物質暴露量を低減(化学物質暴露量の総量規制)すべきではないか?
具体的事例の一つとして、学校給食でのPC食器 (*1)を他の材質に変えるべき。
また、PC食器やシックスクールについては教育委員会、シックハウスについては各施設の管理担当部署、エコシティについては都市整備部などと各部門で環境対応を行っている現状である。環境情報収集体制の一元化が必要。


スプーンの上のビル(市長答弁要旨)
化学物質汚染については、全貌が明らかでなく国の方針も必ずしも定まっていない。国による検討結果を踏まえながら危険性が疑われている物質については可能な限り使用を控える。
環境部の情報収集体制を強化する。

(教育部長答弁要旨)
PC食器については、厚生労働省が食品衛生法基準を下回っており使用を禁止する必要はないとしておるので、それに沿っている。

(*1)PC食器・・・ポリカーボネート製食器の略。PC食器からはビスフェノールAという環境ホルモンが溶出している。



02年9月議会
(質問要旨)
環境省や長岡高専の教授が行った調査から、長岡においてのヒートアイランド現象 (*2)の出現は明らかである。対策として、庇(ひさし)や簾(すだれ)の活用、風の道の活用、都市交通量の低減、屋上緑化や壁面緑化の促進等を提言。
PC食器から溶出するビスフェノールAは環境ホルモン作用が疑われており、現在環境省が調査中である。文部科学省の実験により、PC食器から溶出するビスフェノールAは最大で食品衛生法の基準の100分の1程度であることが確認されているが、この安全基準の25000分の1の投与量でマウスの攻撃性が高まったとの実験結果を始めとして、基準を大きく下回った投与量での精子の減少や、子育て行動の減少が報告されている。食品衛生法の基準自体が、絶対的なものであると断言できないと感じるので、長岡市も古くなったポリカーボネート食器から順次切り替えていくべき。

大切な事、一緒に考えよう(市長答弁要旨)
ヒートアイランド対策については、建築士会などの関係団体と協力して研究を進めたい。

(教育部長答弁要旨)
PC食器については、食器の更新時期に安全性に問題のない材質に切り替えを進めている。今後も速やかに情報を提供して適切な対応を支援する。

(*2)ヒートアイランド現象・・・エアコンや車からの熱を帯びた人工的排熱が増加した事。道路やビルに代表されるようにアスファルトやコンクリートで地面を覆った結果、放射熱が増加した事。土や緑の減少によって、水分が蒸発する時に大気から奪う気化熱が減少した事等が原因と考えられています。そして、その結果として真夏日・熱帯夜の増加による不快感の増大、熱中症等の健康被害の増加。冷房用エネルギー消費の増大に伴って、CO2排出量の増加による地球温暖化の促進とエアコンからの排熱の増加によって更なる高温化をもたらす、いわゆる「負のスパイラル現象」といった影響がもたらされております。更に集中豪雨への関与も疑われています。